二級建築士 試験

2018年二級建築士設計製図試験課題講評

- 2018年9月9日 -

2018年二級建築士設計製図試験の課題の内容は、従来出題されてきた店舗併用住宅の内容の延長線上にあるものと考えられる一方で、他方、以下のようにいくつかの新規の内容を含むポイントとなる留意点を含むものでした。

1 敷地の形状、配置計画について

敷地は南北に長い縦長の形状の敷地で、西側の長辺方向に幅員10mの道路が接し、南側の短辺方向に幅員13mの道路が接している敷地で、カフェ部分へのアクセスと住宅部分へのアクセスをどのように計画するかが、第一のポイントといえます。
この場合、敷地の短辺方向で間口が狭いことがやや気になりますが、定石通りに幅員の大きな南側の道路からカフェへのアクセスをとり、カフェを南側角地に面して配し、また住宅部分の入口へのアクセスを西側の道路からとることが重要なポイントといえます。


2 カフェ部分の計画
カフェ部分の課題の内容は、特に難しい内容を含むものではありませんが、カフェ部分は前記のように敷地の南西角に配置し、かつ、カフェに交流のために有効なスペースを可動間仕切により設けるというフレキシブルな空間を計画することがポイントとなっています。


3 住宅部分の計画
住宅部分へのアクセスは、西側道路からとり、敷地の北西側に住宅への入口と階段・エレベーター部分を計画することにより、住宅の2・3階居室部分を南側にとることができますが、この課題では2世帯の各々の世帯の独立性を確保することとともに、2世帯の交流できるスペースを確保することが条件となっていることにより、例えばルーフテラス等を交流の場として計画することがポイントとなっています。


4 その他の留意点
その他の留意点としては、先ず、課題に「エレベーターシャフト及び吹抜けについては区画すること」及び「エレベーターシャフトについては面積算定上、床面積に算入すること」と記されていることについては、厳密には一部に法規の上乗せ事項が含まれているものの、課題に記されている通りに考えれば特に問題はありません。 また、今回の課題においては、初めて延焼のおそれのある部分の範囲を計画した建物に記すことになっている点も留意事項であるといえます。
更に、今回の課題では、計画する建物の外観及び外構についても配慮すること、省エネルギー等の環境負荷低減についても配慮することと記されている点も従来の課題にない新規な事項としての留意点といえます。

総じて二級建築士設計製図試験の内容は平成24年に試験内容が見直されて以降、自由度の高い課題内容等、徐々に課題内容が高度化してきている傾向にありますが、本課題もこの傾向の延長上にあるものと考えることができます。

以上から、本会の講座では、本試験の課題と類似点のある練習課題も結果的には何題か含まれているものの、近年の課題内容が高度化してきている試験への合格を確実にするための鍵として、確実な建築計画力を身につけることを本旨とする内容となっております。

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