2級建築施工管理技士

令和3年度2級建築施工管理技術検定・二次検定の総評


試験制度変更後、初めての2級建築施工管理技士 第二次検定が実施されました。
下記に「各問ごとの講評」と「総評」を記載致します。

問題1  経験記述
 例年の出題順序からの予想では、「品質管理」についての出題が順当とされていましたが、一昨年に出題された「施工計画」についての記述が求められました。出題テーマにつきましては、今回の様に、順当なローテーション通りにならない例が過去にもありますので、前年に出題されたテーマ以外の二通りのテーマについて、準備をしておくことが必要と思われます。又、新しい要求項目として、設問1に於いては「現場の状況」、設問2に於いては「留意事項」の記述が求められました。記述対象の工事の概要を明確に描いていればクリアーできる要求ですが、設問の傾向としては、1級建築施工管理技士二次検定の内容に近づいてきています。記述対象となる工事概要のポイントを明確にし、採点者に伝わるように記述できる文章力を養う必要があります。

問題2 用語説明・施工上の留意点
 14の用語の内、5つを選択する形式は従来通りでしたが、平成16年以降の出題履歴を振り返りますと、「e:鉄骨の耐火被覆」と「m:木工事の大引」の2つが初出題でした。その他の選択肢は全て過去問からの出題でした。「別表」を参照していただくと一目瞭然ですが、過去の既出項目が繰り返し出題されています。過去問の制覇が合格に結びつくことの、顕著な例と言えます。
 なお、難易度としては、比較的易しい問題でした。

問題3 工程管理
 近年の出題傾向と同様に、鉄骨造3階建物件のバーチャート工程表の出題でしたが、建物の用途が従来の「事務所」から「店舗併用賃貸住宅」に変わりました。又、「設問1」で問われる作業名が3つに増えました。工程管理をする上での各種工事同士の関連性や、全体的な流れを読み取る力が試されました。

問題4 法規(四肢一択)
 「誤っている語句を選んで訂正する」という従来の出題形式が、「四肢一択」に変わりました。選択肢が与えられていることにより、回答し易くなった感がいたしますが、設問によっては、・四つの選択肢の中からの正答肢を選びずらい。
・初出題の条文であった。
等、難しい要素が多々含まれていました。日頃の準備の段階で、条文を充分に読み込んでいる必要がありました。

問題5 躯体施工・仕上施工(四肢一択)
 問題4と同様に、「誤っている語句を選んで訂正する」という従来の出題形式が、「四肢一択」に変わりました。解答数は8で従来と変わらず、かつ、出題テーマも標準的でした。が、専門知識を問われる問題が多かったため、解答に際し、悩まれた方もおられた様です。

総評
試験制度改正後の初めての二次検定となりましたが、
・問題1・問題2・問題3 → 標準
・問題4           → 難しい
・問題5           → やや難
上記のような難易度となり、総合的には難易度は「やや難しかった」と言えます。

ページのトップへ戻る